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Cエレガンスを活用した化粧品の開発

Cエレガンスは、寿命が約30日と短く、神経・消化管・筋肉などの臓器をもつことから、個体レベルの老化研究において長年汎用されてきたモデル生物です。また、培養細胞を用いた実験系と異なり、生物個体としての評価が可能です。さらに、マウスおよびヒトが保有する遺伝子の数はそれぞれ約20,200個、22,000個であるのに対して、Cエレガンスは約20,000個とほぼ同等であり、それぞれ類似のシグナル調節経路を有することが伺われます。愛玩動物や脊椎動物を用いた動物実験に代わる動物実験代替法の利⽤が世界の潮流であることを考えると、Cエレガンスはマウスをはじめとする脊椎動物に代わる注目のモデル生物であると言えます。

弊社C-HASプラスは、そのCエレガンスを活用し、素材が持つ健康寿命に対する影響力を見え化する新技術C-HAS(C. elegans Health life span Auto-monitoring System)をコア技術に、熊本大学UpRodからスピンアウトした研究開発型ベンチャーです。熊本大学UpRodにおける薬学研究によって得られた実績やノウハウに、C-HASをはじめとするCエレガンスを活用した研究成果(下記、実験研究例をご参照ください)を加味した研究開発プラットフォームにより、「科学的根拠に基づく化粧品やウェルビーイング製品の開発事業」を行っています。

Cエレガンスを用いた実験研究例

  • 下記因子の発現量を測定
    • 遺伝子
    • タンパク質
    • 脂質
    • 代謝物
  • シグナル調節経路
  • C-HAS(C. elegans Health life span Auto-monitoring System)
  • また、擬人化モデルや病態モデルを作製することにより、特定の表現型における評価も可能

背景1:非脊椎動物を活用した代替法の必要性について

科学的根拠に基づく医薬品、医療機器、化学物質、化粧品、農薬、⾷品の開発が必要とされる一方で、愛玩動物や脊椎動物を用いた動物実験に代わる動物実験代替法の利⽤が世界の潮流であり、In vitro、in silico、細胞培養、⾮哺乳動物、⾮脊椎動物を利⽤した技術開発が重要課題である*1とされています。

背景2:「科学的根拠に基づくウェルビーイング製品の開発」の必要性について

また、「化粧品産業ビジョン検討会*2」発出の “化粧品産業ビジョン*3”では、中長期的な未来は「科学によるエビデンスの重要度が拡大」することから、『流行に振り回されない絶対的「日本」ブランドの確立』のために「品質が他国のものより優れているということを科学的に裏付けし、客観的なデータに基づいたエビデンスを示すことができるような仕組みを構築」することや、「競合メーカー・競合ブランドとの差別化を図るための更なる研究開発を継続的に実施することが不可欠」であると提言しています。

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